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3月14日 (日)

『四季 秋』 森博嗣 (講談社)


一生の不覚です。Vシリーズの最終作、『赤緑黒白』を読まないまま、この『秋』を読んでしまいました。だから、「えっ!へっくんが…、あのへっくんが!」なんて驚いてしまったのです。こうなったら、『冬』の前に、Vシリーズも全部読みなおさなくては。
ひょっとして、『赤緑黒白』では、『夏』で提示された「林さんの謎」の答えも出ているのかしら。私はこの『秋』で答えが出ていると思ってその後考えなかったんですが、ほんのちょっとでも考えていれば、『夏』で既にへっくんのことはわかっていたはずなんですよね。ちょっと落ち込みました。

でも、『夏』も『秋』も、何も考えずに読んで楽しいのです。今までのシリーズを振り返るような感じだからなのか、四季の周りの人々が、太陽の周りの惑星のように美しく描かれているからなのか。物語は犀川&萌絵、保呂草&各務を中心に進んでいきますが、儀同世津子、瀬在丸紅子らも登場します。誰の人生も美しい。ラスト近くの紅子の言葉はどれもが心に染みます。
「人は、自分が許せないときに、悲しくて泣く、そして、自分が許せたときに、嬉しくて泣くの。」

19時57分51秒 [小説] - by スオミ - 4 comments - No Trackbacks このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加

2月16日 (月)

『四季 夏』 森博嗣 (講談社)


四季シリーズ第2作目。『春』とはうってかわって、真賀方四季を中心に怒濤のように流れゆくストーリー。とても途中では止められない。
13歳になった四季は、アメリカで学位を取った後日本に帰国、妃真加島に研究所を建設する。
彼女は思う。「今自分に必要なことは、自分の中の何かを失うこと。何かを切り捨て、消し去ることだ。」
瀬在丸紅子との再会が、彼女に何かのインスピレーションを与えた。そして、彼女は価値あるファクタを手に入れる...。
物語は『すべてはFになる』で語られなかった真相へと導かれ、その結末はあまりに確固とした意志によって語られるのだ。
23時49分23秒 [小説] - by スオミ - No comments - No Trackbacks このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加

2月15日 (日)

『四季 春』 森博嗣 (講談社)


四部作の一作目。デビュー作『すべてがFになる』の天才科学者、真賀田四季の少女時代が描かれています。ファンにはおなじみの「天才」たちが登場し、これからの波乱を予測させるような緊張感の漂う「幕開け」です。そして、読み終わった後、もう一度読みたくなるはず。
これだけでも楽しめますが、森博嗣のシリーズを全て読んでから読む方がよいと思います。私も『すべてがFになる』をもう一度読み直したくなりました。
21時51分07秒 [小説] - by スオミ - No comments - No Trackbacks このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加

2月11日 (水)

『それぞれの夜』 遠藤周作 編(角川ホラー文庫)


それぞれの夜
10の短編からなる現代ホラー傑作選第1集。
さて内容はというと、私の趣味ではありませんでした。ただ、冒頭の「遠い記憶」だけはかなりいいと思います。この作品を読むのはどうも2度目のようなのですが、それでも「やっぱりいいなぁ」と感じました。いったいどこの本で読んだんだろう...。あとは、「雪」がちょっといいかな。

遠い記憶/高橋克彦
楕円形の故郷/三浦哲郎
音/黒井千次
雪/河野多恵子
髑髏盃/澁澤龍彦
お守り/山川方夫
怪物/三島由紀夫
浴室/阿川弘之
埋葬/吉行淳之介
その一言/遠藤周作
11時20分37秒 [小説] - by スオミ - No comments - No Trackbacks このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加

1月12日 (月)

『暗闇の教室 機Ν供戞\涕彊 (ハヤカワ文庫)


旱魃で干上がったダムの底に現れた中学校の校舎で、中学生4人が百物語をする。折りしも台風が上陸し、恐怖から百物語はどんどんエスカレートしていく。それに呼応するように現れる体罰OKスパルタ教師、連続婦女暴行魔、過激派の女闘士。どこまでが現実なのか?!
『沈黙の教室』の続編、全2巻。続編といっても、山の向こうで並行して起きている独立した事件なので、『沈黙の教室』を読んでいなくても差し支えない。ひたすらダークで(そりゃあ「暗闇」だもの)、ラストのどんでん返しもかなり意外なものだ。

ただ、私は『沈黙の教室』の方がはるかに面白かったと思う。
どちらも、20年前の復讐の話だが、それが1冊に凝縮されたのと2冊になったのとの違いかもしれない。
また、恐怖の種類も違う。『沈黙の教室』の方は、人の精神(狂っているとは限らない)に対する恐怖、『暗闇の教室』では暗闇で何かに襲われるという恐怖。喩えればサイコサスペンスとスプラッタムービーの違いのようなものか。どちらの作品も、私の頭の中では自然と映像化されているけれども。

09時30分05秒 [小説] - by スオミ - No comments - No Trackbacks このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加

12月29日 (月)

『沈黙の教室』 折原一 (ハヤカワ文庫)


1973年、青葉ヶ丘中学校3年A組は発行者不明の「恐怖新聞」に支配されていた。悪質ないじめ、自殺、精神を病み逃げ出す教師…。「粛清」という言葉は20年後の今も彼らを支配する。同窓会告知の新聞の切抜きを持っていた記憶喪失の男はいったい何者なのか?同窓会を機にクラス全員に復讐をたくらむ人物とは誰なのか?謎は最後の瞬間まで解けない。そして同窓会は無事終わるはずもなく…。

最後まで魅せるダーク・サスペンス。
途中途中で挿入される「恐怖新聞」や「同窓会通信」がいやがうえにも臨場感を盛り上げる。それはそうだ。彼らが受け取っている、そのものなのだから。

次は続編の『暗闇の教室』を読むよ。
でもなぁ、正月に読む話じゃないかもなぁ。(苦笑)
20時15分18秒 [小説] - by スオミ - No comments - No Trackbacks このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加
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