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『フィッシュストーリー』 伊坂幸太郎 (新潮社)

 
「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」「ポテチ」の4つのストーリーからなる作品。どれも別々の話なのだけれど、どれもふんわか不思議伊坂ワールド。これまた読み始めると止まらなくて、結局借りて帰ってしまった。


「動物園のエンジン」
その人がいると、動物園全体がエンジンがかかったみたいな状態になる―。彼は夜に動物園のとある檻の前の地面に横になり、朝になるとプラカードを掲げてマンション建設反対デモに参加する。いったい何のために…?

「サクリファイス」
仕事で小暮村へやってきた黒澤は、小暮村の古色蒼然とした風習「こもり様」に出くわす。困ったことがあると洞窟に生け贄を閉じこめる…って、え?!

「フィッシュストーリー」
「僕の孤独が魚だとしたら」という一節から始まる小説がある。それをモチーフにした歌を出して解散してしまったロックバンド。二十数年前、現在、三十数年前、十年後という4つの物語が繋がったとき、静かな感動が押し寄せる―。
私自身の人生の捉え方と同じものを感じて、うれしくなった。


「ポテチ」
黒澤を慕う今村の話。野球選手尾崎のマンションに泥棒に入ってのんびり「タッチ」を読んでるという、彼の飄々とした、というよりはむしろテンポをはずした言動に、なんとなく大泉洋を想像してしまった…。いや、別に今村はおもしろおかしい人じゃないんだけど。これも実は号泣もの。というか、今村につられて号泣してしまった。

2008年05月09日 [小説] by スオミ - No Trackbacks このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加 711

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