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12月15日 (月)
『天井裏の散歩者』 折原一 (角川文庫)
推理小説界の手塚治のごとき存在、小宮山泰三。彼の住まう古いアパート「幸福荘」は、彼を慕って集まってくる小説家志望の若者や評論家たちで賑わい、いつも入居待ちがたくさん。幸運にもそこに入居できることになった青年は、部屋で奇妙なフロッピーを見つける。ワープロに入れてみると、そこには6つの短編連作が…。
これはすごいです。一気に最後まで読みきってしまいました。途中で止めることなんかできません。逆転につぐ逆転。いったい何が現実で何が創作なのか?!
あなたは、真実を、見抜けますか?
関係ありませんが、折原一はせんべい布団を簀巻でのりまきを巻くようにくるくると丸めるのが好きなんでしょうかね?『失踪者』でもそんなくだりがあったような気がするのですが…。
12月13日 (土)
『昆虫巡査〈1〉蜉蝣渓谷』 平野肇 (小学館文庫)
これは、実在する巡査をモデルにした小説だそうです。しかも著者の本職はミュージシャン(ドラマー)だというから驚き。
あらすじ:釣りライター矢張 双は、吸収で白骨死体に遭遇した。村の駐在で「昆虫研究家」の向井坊巡査は、骨に付着した虫(の死骸)から死亡時期を推定。スピード解決と思われた事件は、向井坊の因縁の相手との対決に発展していく…。
ラストのあたりの蜻蛉の描写は圧巻です。
また、著者は「矢張 双」の筆名で
『釣魚大変』という本も出しています(共著)。
12月 8日 (月)
『失踪者』 折原一 (文春文庫)
折原一の作品を初めて読みました。すごいです。
どういうジャンルかを知らずに
nanaさんが好きらしい、というだけの理由で適当に目に付いたものを読み始めたのですが、それがなお良かったのかもしれません。知らない人は、私と同じようにジャンルも知らないまま読むといいと思います。(したがって、内容についてはこれ以上語らず、カテゴリもあえて「小説」としておきます。)
しばらくは折原ブームになりそう。nanaさん、ありがとう!
12月 4日 (木)
『地名の語源と謎』 丹羽基ニ (南雲堂)
地名や氏姓の研究家、丹羽基ニ先生の本です。図書館に行ってみると地名の語源についての本はたくさんあるのですが、その中で前書きが一番面白かったものを選びました。軽快なトークとしょうもない駄洒落で楽しく読めます、ハイ。
これを読んでいて、「今まで出会った中で一番珍しい苗字ってなんだろう?」と考えました。思い出したのは… 一丁田(いっちょうだ)、大豆田(おおまみゅうだ)、半蔀(はしとみ)など。他にも思い出したらまた書こう。
11月29日 (土)
『地図にない町』 フィリップ・K・ディック (早川書房)
「ディック幻想短編集」という副題がついています。二流、三流のSF雑誌に埋もれていた12編の短編を訳したもの。だからといって、内容が薄いわけではありません。明るい話もあまりありませんけど…。
・おもちゃの戦争 ・薄明の朝食 ・レダと白鳥
・森の中の笛吹き ・輪廻の豚 ・超能力者
・名曲永遠保存法 ・万物賦活法 ・クッキーばあさん
・あてのない船 ・ありえざる星 ・地図にない町
11月27日 (木)
『陰摩羅鬼の瑕』 京極夏彦 (講談社)
「鳥の城」に住まう伯爵、その5度目の結婚式。彼はこれまで4人の花嫁を初夜に喪っている。5人目の花嫁の命を守るべく駆り出された榎木津礼二郎と、なぜかお供の関口巽。彼らをよそに、物語はひとつの真理に向かって進んでいく。
結末だけを書くとそう意外性のない作品なのだけど、そのまわりでもやもやしているものをすとんと落とすのが京極堂の役割である。
でも、榎木津はあまり活躍しないよ。
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