秦の宰相となり、『
呂氏春秋』を編纂させたという呂不韋(りょふい)の物語。春風篇では、賈人(商人)の次男として冷遇され家の片隅でちじこまっていた少年不韋が、父の使いで山へ旅に出て大事件に巻き込まれていく様を描く。この度をきっかけに、大きな素質の片鱗をかいま見せるようになる不韋。この先、どう化けていくのか?
これはもう何度も読んでいる、私の座右の書ともいえるもの。楚の黄歇や韓の藺相如、廉頗、はては孟嘗君といったそうそうたる人々の心を掴んでいく不韋。そういう華やかな冒険小説として楽しむこともできますが、ひたすら真摯に自分と向き合い続ける不韋の姿を見るたびに自分を省みずにはいられません。己が千里の馬でないことを嘆かず、駄馬としてたゆまぬ一歩を歩みつづければやがて千里に至る。この『奇貨居くべし』で語られるすべての言葉が私の心身に染みて行動に表れるようになるまで、私は何度でも繰り返し読まねばならないと思っています。
(2005.11.7)
5巻まで読了。
やはり、3巻までの勢いがすごい。5巻は大冒険があったり著しい成長があったりするわけではないので、最後に向けてただ淡々と読み進めるばかり。
そして、『奇貨居くべし』を読み終わったら、今度は『
荀子』を読むのだ。これ基本。