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『堕落論』 坂口安吾 (角川文庫)

 
あぁ、醜く足掻きながら生きていくのが当たり前なのかなぁ、私もそれでいいのかなぁ、と思った一冊。短めの評論やエッセイが詰まっています。最期二つ「教祖の文学」と「不良少年とキリスト」は冗長に過ぎてちょっとうんざりでしたが、「日本文化私感」「堕落論」「デカダン文学論」「恋愛論」などは面白く読めました。
私は、坂口安吾の真面目なときの文章は好きみたいです。独り言みたいになるとちょっと辛いんですけどね。
偽物には楽天性というものはない。常にホンモノよりも深刻でマジメな顔をしているものなのである。いつか銀座裏の酒場に坂口安吾のニセモノが女を口説いて成功して、他日無能なるホンモノが現れたところ、女どもは疑わしげに私を眺めて、あなたがホンモノなのかしら、ニセモノはもっとマジメな深刻な人だったわよ、と言った。

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