彼を目の前にすると、なぜか誰もが自分のことをべらべらしゃべってしまうという、なんとも不思議な能力を持った「山吹みはる」。それだけでなく、みんな話しているうちに昔の事件の真相に思い至ってしまう…。そんなみはるが騙され高知に送り込まれて、大きな事件を掘り起こしてしまう――。
あとがきにもあるように、これは「ファンタスィー」です。でも、みはるの素直な人柄と、その周りではからずも以前は気づいていなかった事件やその真相に思い至ってしまう人々を見ていると楽しいやら悲しいやらなんとも複雑な気分になります。
以前読んだときは全然気づかなかったのですが、これ、登場人物の名字がみんな色の名前。赤練(かいねり)、青磁、朱鷺、路考茶、弁柄、朱華(はねず)などなど…。人々の関係が入り組んでいるので、もし読むときは名前に注意しながら読んでいくことをおすすめします。そうすれば、最後にぴたっとパズルのピースがはまる快感を味わえることでしょう。