『
問題な日本語』(大修館書店)で、「2個上の先輩」は間違いだが「2つ上の先輩」は正しい、という話がありました。これで思い出したのですが、最近、本来の意味とは違う使い方をする場合はカタカナ表記にする、という風潮があるように思います。
例えば、「2個上の先輩」は間違いかもしれないけれど、「2コ上の先輩」という表現ならOKかなーという気がします。また、「携帯」はそもそも身につけて持ち運ぶことだけど、「携帯電話」というのは長くて面倒なので「ケータイ」と書いて区別する。
たぶん、発音も微妙に異なっています。「2個」は高低、「2コ」は低高(または平坦)、持ち運ぶ「携帯」は「けいたい」、電話は「けーたい」ですよね。
また、「ふさわしい、適切である」という意味で使う「適当」と区別するために「テキトー」と書いたりします。私が「適当にやっておきます」と言うときは「ふさわしいと思う方法・内容でやっておきます」という意味であって、決して「いい加減にやっておきます」というつもりではありません。が、これは発音で区別しにくいので誤解されることもしばしば。
「微妙」は「なんともいえない味わいや美しさがあって、趣深いさまや、はっきりととらえられないほど細かく、複雑で難しいさま」(『大辞林』参考)という意味なんですが、「ビミョー」と書くと「ちょっと良くないような…」と否定的な意味になります。これは「妙」自体の意味が変化してきているというせいもあるのかもしれません。もともと「妙」は「ふしぎなほど美しい、すばらしく巧みだ」というような意味なのですが、最近は「変な、おかしい」という意味で使われることが多い。微妙も「かすかに妙である」→「ちょっと変」と変化したということでしょうか。
「変」と「ヘン」もニュアンスが違う気がしますが、これはうまく説明できません。「変」は世間一般に見ても変で、「ヘン」は俺ルールとかローカル文化から見て変なのかなぁと考えたんですが、どうでしょうか。例えば、「あいつ変だよ」というと「最近様子がおかしい」または「変わり者だ」というニュアンスで、「あいつヘンだよ」だと「俺には理解できないね」というニュアンス。
また、「やばい」というのは「あぶない」という意味だったはずなんですが、「ヤバい」というと「スゴイ!あぶないぐらいイイ!」というニュアンスが加わります。“bad” が “cool, great” という意味に使われるのと似ているかも。
ついでに、「凄い」というと大仰だけど「スゴイ」ならちょっとしたことにも使えそうです。「可愛い」→「カワイイ」、「面白い」→「オモロイ」など、形容詞がカタカナ化するというパターンも多そうな感じ。このあたりは意味を軽くする働きがあるのだと思います。ただ、「カワイイ」は女性語で、「オモロイ」は男性語な雰囲気。この語感はどこから来るんだろう…?
こうしてみると、和語・漢語のカタカナ化は時代を反映しているようで興味深い。たぶん、インターネットがこの変化を加速しているのだと思います。変換を考えなくていいというのも利点なのかも。これまで英語のカタカナ表記ばかりが注目されてきましたが、和語・漢語のカタカナ化もヲチしていくといいと思います。
どうでもいいけど、カタカナ語関連の本て、なぜか表紙がけばけばしい…。