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『扇野』 山本周五郎 (新潮文庫)

 
男女の機微を、豊かかつ精緻に描いた短編集。最初の方は、愚かで浅はかな妻を夫が優しく大きな愛で包む…そんな作品ばかりかと思ったら、惚れた男を他の女のところへ送り出す女あり、またその逆もありと、いろいろな形の愛がありました。人が人を想う形にはいろいろあるのだと思い知らされます。

そういえば、先日飲み屋で出会ったおじさんは、「女が複雑にしたがるんだ。男はいつでも単純なのに…」と言っていました。そうだねぇ、そうかもしれないねぇ、と思いました。そのおじさんは、ショーン・コネリーみたいにかっこよくて、傍らでつっぷして寝てしまった連れの女性の肩に手を置いて、「この人といるとね、ほんとにやすらぐんだよ…」と言っていました。

2006年01月11日 [小説] by スオミ - No Trackbacks このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加 2038

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